夢想家の日曜日

化粧した男達に胸を鷲づかみにされてしまった

2020年のオタク活動をふりかえる

 2020年は多くの人にとって転換点であったと思う。私の場合間違いなく画期となった。

 

 今年の現場一覧は以下の通り。

1/1 (承前)LDHカウコン(LV)
1/8 『ぐるっと関西』観覧 @NHK大阪
1/28 QUEEN + ADAM LAMBERT @京セラ
2/13 『貴族降臨』舞台挨拶(LV)
2/22 白倉・武部P w/高岩さん @映画村
2/23 白倉・武部P w/靖子にゃん @映画村

 ご覧の通り、2月以来現場には行っていない。2月後半からの怒涛の中止/延期ラッシュを経た夏以降、ライブや演劇が少しずつ復活していった後も結局行くことはなかった(「ハイロー関連かTHE RAMPAGE関連かthe god and death starsなら行く、遠征は基本ナシ」という個人的な縛りを設けていたので)。
 配信ライブも集中力の問題でほとんど観なかった。観たものといえば11月のアラフェス2020と大晦日のThis is 嵐、LDHのカウコンくらいか。

 

 現場のオタクとしてだけでなく、音楽好きとしても今年はなかなか満足できない一年だった。移動時を中心に音楽を聴くライフスタイルを取っていたため、聴取機会が激減したのだ(そのせいで今年のApple Musicの再生回数上位が就寝用プレイリストの曲で独占される羽目に…)。
 ざっくり言えば上半期はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE中心に、下半期はイメソンプレイリスト(後述)を中心に聴いていた気がする(そして就寝用にHIROOMI TOSAKA!)。

 

 私個人としても年初めに卒論提出や院試、大学院入学と大きなイベントが重なったこともあり、コロナ禍も相まって精神的に参った時期がかなり長かった。3月ごろから夏まで何をしていたか正直あまり記憶がない。

 変化が起こったのは6月終盤。その少し前にアマプラに来た、白石晃士監督作品にして『仮面ライダーオーズ』のアンク役でおなじみ三浦涼介さんが最強霊能者を演じることで有名なホラー映画『カルト』を観たあたりからだ。
 端的に言えばどハマりしてしまい、『オカルト』から『コワすぎ!』シリーズ、『ある優しき殺人者の記録』、『ノロイ』、『殺人ワークショップ』と次々に白石晃士監督作品を観ていった。普段観る映画といえば仮面ライダーかハイローの二択のオタクなので、初めて「監督買い」をしたことになる。

 そこで私の中で何かの蓋が開いたらしい。映画暗黒神の導きか、突然二次創作SSが書けるようになった
 もともと二次創作にはほとんど触れてこなかった(Twitterでファンアートを見る程度)のでpixivのアカウントを取得するところから(!)である。

 

 そして数本書いたところに出会ったのが現・自ジャンルである。北海道で金塊争奪戦をやる漫画と言えばおわかりいただけるだろうか。
 高1の秋〜21歳頃(作品でいえば『東京喰種』11巻あたりから『東京喰種:re』完結まで)あたりは毎週ヤンジャンを読んでいたので現・自ジャンルのことは連載開始当時から読んではいたし単行本も全巻揃えていたのだが〜〜!!!!!!

 23巻である。具体的に言えば231話である。

 9月に発売された単行本で読んだこのエピソードがあまりにも完璧すぎて――そのうえ無料キャンペーンに釣られてアプリで読み返したりそれに飽き足らず手持ちの単行本を全巻読み返したりするなどして――すっかり虜になってしまった。何度も言うがもともと好きな漫画だったのに突然覚醒してしまった。

 オタク女23歳、生まれて初めて推しカプができた。生まれて初めて二次創作BLに足を突っ込んだのである。

 まあそんなわけで推しカプに狂った。おまけにホルモンバランスまで狂ってしまい普段はルナルナ遵守の生理周期がガタガタになったり中学時代ぶりに不正出血を起こしたりした。
 今では推しカプのイメソンプレイリストを作ったり二次創作SSを書いたり明治陸軍関連の文献を買ってみたりとらのあなアニメイトに大金を突っ込んだりして面白おかしく過ごしている。正直、これだけで2020年はそんなに悪くなかったと思えるし、終わりよければすべてがよく思える。

 

 私は常々「ハマった瞬間が自分にとっての沼落ちグッドタイミング」説を提唱している。現・自ジャンルにおいてもそうだ。
 二次創作BLは、結局のところ「余白を想像する能力(=二次創作筋)」と「名前のない関係性を恋愛と解釈する能力」の両方がないとできないように思う(少なくとも私の場合は)。私は前者を映画暗黒神によって、後者を10月ごろに読んだ『カラオケ行こ!』によって得ることができた。
 とすればこの沼落ちは私の中で来るべくして来たものであり、(後から振り返れば)割と周到な伏線が貼られていたともいえるのだ。

 これまで何度かBL関連の文献を読んだことはあったが、あまりしっくり来ていなかった。というかまるで理解していなかった。今では割とわかるような気がしている(一次創作BLの経験値が皆無のため未だにBL愛好者としての当事者感がないので自信がないが…)。
 今、二次創作BLに触れて一番思うことは、読むことはたのしく、かつ自分の全てを炙り出される行為であり、読みの地平は思っていたよりも広大であるということだ。

 男同士の恋愛や性愛を解釈したり書いたりするにあたり、私は自分の立つ地平――シスヘテロという属性、無意識に抱いていた偏見――や、社会構造を俯瞰的にとらえ批判的に読み/論じることの能力の乏しさといやでも向き合わなければいけなかった。

 二次創作BLを読み、そして書くとき、自分の中にある愛のかたちや偏見、先入観をひとつひとつ取り出し、先人の成果と照らし合わせながら点検する作業が必要だと感じている。だから今回はまだ私に起こった変化について詳細には書けないが、私の中で大きなうねりが起き、半ば取り乱しながらも晴れやかに2020年を終えようとしていることをお知らせしてむすびとしたい。

 

 改めまして、2020年を共に生き抜いたみなさんありがとうございました。2021年、もう今年になってしまいましたね。今年の目標は、1万字越えのSSを書くことと読書量を増やすこと、そして何よりも心身ともに健康に生き抜くことです。本年もよろしくお願いします。