夢想家の日曜日

化粧した男達に胸を鷲づかみにされてしまった

13年越しの邂逅 ーdeadman oneman live2019 -before the dawn-

deadman oneman live2019 -before the dawn-

2019年9月9日

恵比寿LIQUIDROOM

 

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deadmanを初めて聴いたのは高2とか、高3とかまあその辺りだった気がする。4~5年前の話だ。


当時なんのSNSもやっていなかった私は、まとめサイト巡回で音楽の知識を仕入れていた。(これ改めて言うとなんか恥ずかしいな…)(「みるとべ」があった時代が懐かしい)


ヴィジュアル系関連のまとめ記事を読んでいくうちにやたらと目にするようになったのが、「follow the night light」のPVのサムネだ。

なんとなく気にはなって音源を入手してみたが、当時はあまりしっくりこなかった。「地味すぎる」とさえ思っていた。

まあそれでも「follow the night light」や「lunch box」は気に入っていたらしい。バンギャ黒歴史あるある「昼の放送でV系を流す」のラインナップの中に、「lunch box」が入っている。

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しかし、一昨年になるとその評価は一変する。Merry Go Roundつながりでgibkiy gibkiy gibkiyを観に行き、さらに9GORTS BLACK OUTつながりでKEELのチケットを取り、そこにダメ押しのように第3期DECAYSのメンバー発表があった。

もはや間瀬ギャにならないわけがない。


そうなると、もちろんaie氏の歴代バンドの音源を聴き直すことになる。Lamielやkeinも聴いた。

そして、deadmanを再び聴くことになるのだ。

結果として、当然のようにハマった。高校生の自分には分からなかった良さに次々と気づく。正直、「なんでもっと早く気付けなかったんだ」と思った。しかし、どうあがいたってラストライブのとき私は7歳なのだ。さすがに7歳児の私にdeadmanの良さを分かれというのは無理がある。

まあそんなわけで、deadmanはもう一生観られないと思っていた。気持ち的にはフレディ・マーキュリー存命時のQueenぐらい観られないものだと思っていた。

 


そんなことを思っているうちに2019年になった。

そして訪れた3月22日。

lynch.の公式LINEから来た通知を見て文字通りひっくり返った。

deadmanがワンマンライブを行う。

嬉しくて、嬉しくて、馬鹿みたいに笑った後、この顛末を母に話しているとこれまた馬鹿みたいに泣いてしまった。


6月に行われた3マンこそ行けなかったが、今日は台風にも負けずに行くことができた。

ここまでが長い長い前置きだ。

 

 

ライブが始まったら絶対泣くだろうと思っていた。

しかし、一滴の涙も出なかった。

それどころか、さも「前から行ってました」と言わんばかりに全力で頭を振り、メンバーの名前を叫んでいた。まるでいつもの続きのように。


先月ぶりに観るaieさんはびっくりするほどいつものaieさんだった。ギターの音はいつもよりもソリッドだったけれども、弾き方もコーラスの声も、もはや安心するほどいつも通りだった。

初めて観る眞呼様は思っていたよりよっぽど朗らかだった。あの真っ直ぐな歌い方はそのままに、ブランクを微塵も感じさせない艶やかを増した声が響いていた。


deadmanを音源の中でしか知らなかった頃は、「闇の中に光を探す」のがdeadmanの音楽だと思っていた。

だが、今日は光に満ちていた。じんわりとした暖かさと祝福が満ちる中、光も闇も全て包み込み、肯定し、昇華する音楽がそこにあった。


血の通った暖かさがあり、無機質でもなくなった屍。

死人に暖かさを取り戻したのは、13年という年月か。はたまた別の何かか。

ともかく、2019年の僕らはdeadmanとともにある。ここから1年、走り抜けた先にはどんな光が見つかるのだろうか。

 

 

 

 

 

「聖者ノ行進」が聴きたいですね・・・。