夢想家の日曜日

化粧した男達に胸を鷲づかみにされてしまった

KEEL 2days oneman tour「融けるナイフ」

KEEL 2days oneman tour「融けるナイフ」
2017年12月25日 OSAKA RUIDO

セットリスト

SE Let it snow! Let it snow! Let it snow!

01 ニードル
02 ニードル
03 午後の射殺
04 発火
MC
05 喘鳴
06 Water lilies
07 知りすぎた心臓
07 bring me reason
MC
08 rain song
09 水辺の君に
10 Ella
MC
11 禍人
12 Over
13 接吻
MC
14 SWANS
15 クラッカー
16 fanfale
17 Siren

EN
01 May your life be always fulfilled with love
MC
02 告白
03 人型


KEELのDrums、Tomoi氏の帰還後初にして1年ぶりの東名阪ツアー。
メンバーは全員このツアーでライブ納めだそう。
かくいう私もこの日がライブ納め。全力でチケ発してクリぼっち回避できて本当によかった10月の私ありがとう

 

ところで、私は以前から間瀬大 a.k.a. aie氏の演奏が気になっていたのだが、

DECAYSのライブ後ついに推しと呼べるレベルにまで好きになってしまった。
それ以降それはそれは重度の新規ハイに襲われてしまい、とりあえず手持ちの間瀬音源(deadman、第3期DECAYS、gibkiy gibkiy gibkiy、highfashionparalyze、Lamiel、KEEL、the studs)をブチ込んだ地獄のようなタイトルのプレイリスト 「ゴッホよりぃ〜〜普通にぃ〜〜間瀬大がっ好っきぃ〜〜!!!!!!」を毎日狂ったように聴いていた。オタクが新規ハイを起こすとロクなことにならない

 

そんなわけで初参戦のKEELはかなりの期待値。
元々ボーカルのryo氏(以下、量産と表記)つながりで聴き始めたバンドだったので初めて量産の生歌が聴ける点でも楽しみだった。

 

実際始まってみると期待以上。
1曲目「ニードル」の序盤にBa.愁氏の4弦が切れるというアクシデントで再度SEから演奏されるという嬉しい偶然がありながらも、聖夜に相応しい幸福感に満ちたステージでしたよ。

 

とにもかくにも驚かされたのは量産の卓越したボーカルワーク。
高3の夏、初めて9GORTS BLACK OUTを聴いた日と全く変わらない歌声に胸がいっぱいになった。限定でいいから9GORTS復活してくれませんかね 

もう声がなんというかこう叙情的ところからして強いですね。
ヴィジュアル系直系にしてファルセットを多用した独特な歌い方はさることながら、鬼気迫るグロウルまで使いこなすテクの高さには本当に脱帽です。

 

9日ぶり今月2度目の間瀬大 a.k.a aieはかなり近くで観たので大胆にバッチリ観えておりました・・・。こんなにボーカリスト以外をガン見し続けたライブは初めてではないでしょうか・・・。


いつもの白のテレキャスから途中で黒のテレキャスにチェンジ。
エフェクター7つ+ワウペダルという編成は彼にしては比較的多い方ではないでしょうか(あんまり現場行ってないので編成についてはあくまでイメージです。何か間違っていたらご指摘ください)
DECAYSのときに「ああ間瀬感だなあ」と思ったアンプの前でしゃがみ込みながらギターを弾く姿は少なめ。
その代わり前に出て弾くときが多かったので「えっどうしよう間瀬が来るたび胸が苦しい現象…ガチ恋か???」と終演直後の感想メモの1行目に書く羽目になりました本当にありがとうございました


間瀬さんをライブで観るのはこれで3回目ですが、彼の何が好きかって間瀬感の名を欲しいままにする演奏や作曲センスはもちろんですがシニカルな顔でギター弾いてるクセに時折中学生のように初期衝動めいた顔をするところだと気付きましたね。なんでお前そういうタイプにばっかガチ恋するんだ本当そういうとこだぞ


推しバンギャ的には本命麺と言い換えてもらっても差し支えないです)を推しと自分の中で明確に自覚した上で至近距離から観るのは初めてだったので開演前からゲボ吐きそうになったのはないしょです。至近距離で観る推しはそれはそれは格好良かったです接吻」でハート飛ばしまくりました(遺言)

 

KEELというバンド自体の話をすると、もうこのメンバーがずっと音楽を続けてきてくれてバンドをしてくれるということがこの上なく幸福なことなのだなあと。
量産も間瀬さんも、長らく名古屋系と呼ばれるメンバーとバンドの入れ替わりの激しいジャンルの中で活動してきた。
今はもう彼らは厳密には名古屋系とは呼べないのかもしれないですが、その血を受け継ぐ人間がこうして一緒にバンドをしていることがほんとうに尊いですね。


あと、間瀬さんがこれまでに組んだボーカリストって真さんしかり眞呼様しかり人間離れした、敢えて言うと人外感溢れる人が多くて、私は量産もその一人だと思っている。
しかし、KEELの量産は前述の2人とは違ったところにいるのではないかと感じた。
MCで量産が少し触れていたが、KEELの世界観が目指すところは「かつて人であった屍」であり、この世に存在を始めた瞬間から人たり得なかった存在ではないのだな、と。
良い意味で人間臭く、卑小な存在をあえて演出しているのではないかと思った。
人間が死に絶えてゆくのを眺めながら自らも朽ちていく、それでも何かに突き動かされたように口が動いてゆく語り部のような。
人ではなくなりながらも人としての部分を守ろうともがき続けているような。
おとぎ話モチーフの曲が多いところにもそれを感じさせた。

 

改めて、KEELという太く、懐が深い竜骨に乗せてくれたメンバーに感謝を。
絶望の中に救いを、死の中に生を。
いつかまた、この船に乗るその日まで。