夢想家の日曜日

化粧した男達に胸を鷲づかみにされてしまった

摩天楼オペラ 10th Anniversary 『PANTHEON TOUR -coda-』

摩天楼オペラ 10th Anniversary 『PANTHEON TOUR -coda-』

2017年12月10日 奈良NEVERLAND

01 The RISING-Orchestra-
02 Beyond The Sorrow
03 止まるんじゃねえ
04 Curse Of Blood
05 BURNING SOUL
06 WORRIOR
07 Psychic Paradise
08 Innovational Symphonia
09 黄金郷を夢見て
10 覇道の火よ
11 The Gambler
12 蜘蛛の糸
13 罪と罰
14 ANOMIE
15 戦場の雨は音もなく
16 Voyage
17 PANTHEON
18 PANTHEON-PART2-

EN1
01 INDEPENDENT
02 honey drop
03 SHINE ON

EN2
01 PHOENIX


摩天楼オペラ10周年ツアーにしてキャリア初の奈良公演。私自身も摩天楼オペラ初参戦、加えてバンギャル4年生の奈良県民のくせに初めての奈良NEVERLANDということもあり開演前からバチバチに高まった挙句、ハイペースで氷結を飲み「やべえわーこれライブ始まったらゲロ吐くんじゃねえのー氷結一本でベロベロとかおこちゃまかよー泥酔オタクやだなー」などとぼんやり考えていた。

客電が落ちてSEが流れ、メンバーが出てきた瞬間に(あっ摩天楼オペラって実在するんだ)と初参戦のバンドのライブにありがちな感想が頭の中をよぎる。
鍛え上げたバンギャル力のおかげか幸いゲロは吐かなかった。
最新作「PANTHEON-PART2-」は未聴だったにも関わらず、「Beyond The Sorrow」の時点で様々な思い出が走馬灯のように流れ涙が止まらなかった。


高校時代の本命盤だったこと。

メンバーがHelloweenイングヴェイの話をしているのを理解したくてメタルを聴き始めたこと。

そのおかげで強いオタクに囲まれながらにわかながらもメタルを歌えていること。

苑氏の歌い方が好きすぎて下手くそなビブラートを延々練習したこと。

彩雨氏の存在をヒントにジェンダーフリーに関する小論文を書き、幼稚園の頃から行きたかった大学に入学できたこと。

AVALON」と「地球」の間あたりから、音楽性の変化に伴って離れていってしまったこと。

iPhoneのユーザー辞書機能でメンバーの顔文字を未だに登録していること。

Anzi氏脱退の報を受けたとき、「私の愛した摩天楼オペラはもう戻ってこないのかな」と思ったこと。

「PANTHEON -PART1-」を聴いたとき、「俺たちの摩天楼オペラが戻ってきた」と思ったこと。


おい、放送室で一人V系を流してはイキり散らし、でもどこかで同志を求めてた高校生の自分よ、今私は自分の青春を清算してるぞ。

涙も引っ込んだところでメンバーと演奏を聴きこんでみるとやはり上手い。楽器弾けないからテクニカルなことは分からないけど。(整番が遅くてかなり後方で見てたからメンバーが胸のあたりまでしか見えなかったのもあるが)

苑氏は高音の調子も良かったし荒い歌い方も素晴らしかった。天井を掴むのには飽き足らず全身乗り出してきたのには笑った。あとバラードになると稲葉浩志感マシマシだなお前

JaY氏もサポートとはいえ安定感と華のあるステージングだった。MCで他メンバーからも可愛がられているのがうかがえてほっこりする

彩雨氏はやはりパフォーマーとしての意識の高さを思わせる。サウンドにヴェールをかけるような、そして曲の雰囲気を一段上に引き上げるようなサウンドもさることながら、もう一本のギターであるがごとくリフを弾きまくる姿が凛々しい。ふともも拝みたかった

燿氏のベース本当に電飾が光るんすね。動きのあるベースラインをサラリと弾きこなすのが素晴らしい。PHOENIXでのタッピング最高でした 鹿の着ぐるみ姿がかわいい

悠氏、後ろからだとあまり見えなかったがチラッと顔が見えたとき本当に楽しそうで良かった。メンバーに目線を送ってるあたり絆の強さを感じて尊い

高校時代に最も聴き散らかした「Justice」〜「AVALON」期の曲が新曲に混じって披露される流れからの「ANOMIE」。
この曲、「21mg」「Merry Drinker」、最近では「AM6:00に針路をとれ」に代表される、いわば日常ソングの系譜の源流ともとれる曲だと思ってるんだが、それを思えばサビの「上手く生きれないよ」を客に歌わせてくる苑氏ほんとに「「「分かってる」」」んだよなあ。
「日常」という毎日流れていく営み、その良いことも悪いこともすべて受け入れた上で希望を持たせてくれる。
サウンドとしても一人のプレイヤーとしても円熟の境地というものを感じさせる。というかなんかもう苑という男を好きにならざるをえない

本編ラスト、MCを挟んで披露される「PANTHEON」二部作。摩天楼オペラを聴き直すきっかけとなったこの曲で、MCの内容も相まって再び号泣してしまう。もうオタクの涙腺はガバガバ

聴き手である自分が変わって、一度離れて戻って来ても変わらずそこにいてくれる、いや、むしろ前よりもさらにパワーアップしてくれている、そして自分が育った土地で最高だと言いながら音楽をしてくれる、陳腐な感想だけどこのご時世にはなかなかできないことを実現させてくれている。

アンコールでは力の限りメンバーの名前も呼び、バンギャルのライブのノリを自分がするのは恥ずかしいなーと思いながらも楽しさのあまり「honey drop」で初の手扇子もした。「SHINE ON」とかただのクリスマスプレゼントですね本当にありがとうございました。

ツアーの千秋楽でもメンバーのバースデー公演でもない、ただの地方公演なのにダブルアンコールまでしてくれたのは盛り上がりまくっていたとはいえ驚いた。
奈良に来てくれて、最高の笑顔を見せてくれて、そして今までずっと、摩天楼オペラという最高のバンドを続けてきてくれてありがとう。またすぐ奈良におこしやす。